ユキ、おまえを愛してる(第6話)
- カテゴリ: 自作小説
- 2012/01/28 17:56:08
「人間とは本当に自分勝手な恐い生き物です。生き残る為に常に他人と競争をさせられているからか、自分の事しか考えられない生き物になってしまったんだわ。」
バイオレットは、涙をそっと拭った。
「私が出会った男も最初は優しかった・・・。そのうち慣れてくるとだんだん私に飽きてきたのか他の女と仲良くなった...
(お願い:この作品はポプラ社小説大賞応募予定作品につき、作品の模倣、一部の複写等の行為はご容赦ください。☆一部名称等ニフティに帰属する部分は投稿時に変更することとする。☆この作品の著作権はわむたんに帰属します。)
「人間とは本当に自分勝手な恐い生き物です。生き残る為に常に他人と競争をさせられているからか、自分の事しか考えられない生き物になってしまったんだわ。」
バイオレットは、涙をそっと拭った。
「私が出会った男も最初は優しかった・・・。そのうち慣れてくるとだんだん私に飽きてきたのか他の女と仲良くなった...
第2章 猫の王宮(キャットクリスタルパレス)
漆黒の宇宙に無数の光の落し物が広がっている。
その光の落し物を覆い隠すように、七色のオーロラのカーテンがたなびいている。
ここは異次元の猫の妖精の世界。
オーロラのカーテンの下にクリスタルで創られた王宮がある。
その王宮の中心部王の間で侍従の...
先生が私の足の付け根をゴリゴリ揉んでいる。
「うーん、骨に異常は無いようね。」
レントゲンの写真を置くと、私の口を大きくあんぐり開けて覗き込んだ。
「何かにぶつかって、ショックを受けたみたいだけど大丈夫だわ。でもそのまま雪の中で倒れていたら凍死してしまったかも。運の良い猫ちゃんね。」
きゃ!...
私は暖かい腕の中でまどろんでいる。
どうやら、私を抱きかかえた者は動物病院を探しているようだ。
トントントン・・・
閉まった扉をノックしたが返事が無い。
これで3軒目だ。
その間にも雪は容赦なく降り続いている。
私が暖かい訳は、セーターにくるまれているからだ。
彼は自分の着ていたセータ...
私をひいた車は何事も無かったようにスピードを出して走り去った。
「猫がひかれたよ!」
通りを歩いていたおばさんが叫んだ。
「あら、気持ち悪いから早く行きましょ。」
おばさんの連れが顔をしかめると肘を引っ張って足早に去っていった。
まだ意識はある。
雪がクッションになってくれたのか、死なな...