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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|時評|充實を欲する社會(2)

■近代文藝之研究|時評|充實を欲する社會 (2)
文藝の上に所謂自然主義が此の種の精神を代表して、技巧文章の味を卑み、成型、因襲の累を厭ひ、新、眞、直截、赤裸々を喜ぶの事實は述べるまでも無いが、此の氣風は固より單に文藝の上にのみ發したものでなく、一般思想界の自覺に基づく。さればこれが鬱勃するところ、...

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■近代文藝之研究|時評|充實を欲する社會(1)

■近代文藝之研究|時評|充實を欲する社會 (1)
     充實を欲する社會
今後しばらくの社會に流行してよいのは充實といふ言葉であらう。社會は漸くあらゆる方面に充實を要求して來た。感じの鋭敏な文藝界思想界が先づ是れを感じた。若しくは感ぜんとしてゐる。而して後諸般の社會現象、例へば政治にも道徳にも是...

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■近代文藝之研究|時評|動的美學(7)

■近代文藝之研究|時評|動的美學 (7)
勿論自然の對境も皆凡て其の約束を有して居らぬとは言へぬが、其の動は大にして複雜、到底人間の意識内に之れを包藏し盡す〓[#「こと」合略仮名]は出來ない。此に於いてか之れを假りに我等みづからの動の約束に引きあてゝ、我等みづからの型に入れる。例へば茲に一の大河の流...

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■近代文藝之研究|時評|動的美學(6)

■近代文藝之研究|時評|動的美學 (6)
リップスの思想も之れと似てゐる。例へばドーリッシュ式の圓柱などについて言ふも、其の形は常に其の用途目的に應ずるものでなくてはならぬ。圓柱が有する動は、其の圓柱の意義を示すものでなくてはならぬ、と言ツてゐる。但しリップスは更に一歩を進めて、斯かる動は、また自然...

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