ただ、降る雨のせいで
- カテゴリ: その他
- 2011/06/30 01:21:30
「は? 信じらんない!? 何なの?」
鈴は、大声を上げた。涼介は、両手で耳を塞いで耐えた。
「こんなことなら、家に居た方が良かった!」
七夕の人出を甘く見ていた自分にも落ち度はあるだろう。
けれど、なにもそこまで怒らなくても…。 と涼介は思った。
だからそんな鈴の怒号には付き...
「は? 信じらんない!? 何なの?」
鈴は、大声を上げた。涼介は、両手で耳を塞いで耐えた。
「こんなことなら、家に居た方が良かった!」
七夕の人出を甘く見ていた自分にも落ち度はあるだろう。
けれど、なにもそこまで怒らなくても…。 と涼介は思った。
だからそんな鈴の怒号には付き...
少女は、一人佇んでいました。
次のバスが来るまで、あと39分もありました。
そのため他に待っている人はいません。
彼女と動物だけが、その場を支配しています。
(本当は、何を待っているの?)
少女には、わからなかった。
またわかりたくなかった。
(バスじゃないの?)
ますます、わからな...
カフェから雨をぼんやり見ていた
温度差のためか、やや曇ったガラス越しに
重力に惹かれた水滴が地表を濡らしていた
落ち行く雫が描く、一条のラインはとても美しく見えた
やがて雫は地表に到達し、えもいわれぬ音を奏で消えてゆく
その光景は少し悲しく思えた
この雨が僕の過去を洗い流してくれるのだろ...
目次 05 ショートストーリー 【カテゴリー:その他】
01 『雨上がる』
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=226561&aid=29471729
初出 『一寸先はお花畑イベントテーマ『雨』 2010/...
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