レモンバーム
今朝、庭で摘んだ
レモンバームにお湯を注ぐ
レモンの香りが立ち上り
淡い緑色の液体が
ティー・ポットに溶け出していく
レモンバームは
ギリシャ語では「メリッサ」
蜜蜂のことらしいが
まるで白衣の...
レモンバーム
今朝、庭で摘んだ
レモンバームにお湯を注ぐ
レモンの香りが立ち上り
淡い緑色の液体が
ティー・ポットに溶け出していく
レモンバームは
ギリシャ語では「メリッサ」
蜜蜂のことらしいが
まるで白衣の...
星史は急すぎて「えっ?」と訳がわからなかったが、なめらかで心地よい風が、グルグルグルっと渦を巻き始めた。そして風がもとの穏やかな線をなめらかに描き流れ出すと、絹のように美しく長い銀色の髪をした少女がそこに立っていた。その少女の瞳の色は、アメジストのような紫色だった。目が合ったとたん、星史はその瞳に吸...
第二章 アプリコットの野
「風の精霊」
紅い花、黄色い花、青い花、紫色の花……と、お花畑には何種類ものいろいろな花が、美しく可憐に咲いていた。星史は二日間、シルビアと歌を歌ったり、時々休みながら歩いてきた。皮のようになめらかなスエードの葉の袋の水は、もう少なくなっていた...
白い鳥
思いを残して死した者は 思いの方を見ようと首を長くする 思いを残して死した者は 思いを遂げようと鳥となって空を飛ぶ
それは純粋なる望み それは切なる思い 思いの強さを翼にして 白い鳥となって空を舞う
白...