2011.4.19.夕立
- カテゴリ: 日記
- 2011/04/20 05:59:53
灰色をした空から
一斉に降り出せば
辺りはすっかり掻き消されて
水の音だけになる
立ち止まって
窓の外を見る
水が跳ねる他は
動くものの無い
静かな世界
しっとりと
時が流れていく
灰色をした空から
一斉に降り出せば
辺りはすっかり掻き消されて
水の音だけになる
立ち止まって
窓の外を見る
水が跳ねる他は
動くものの無い
静かな世界
しっとりと
時が流れていく
一つ前の席に
掛けて見えたその方は
それが当たり前の様に
さっと席を譲った
一日を終えた帰り道の
混み合うバスの中で
そういうことに気が付いて
直ぐに立ち上がれる心
改めて
大切にしたいと思う
新聞を取ってくる
肩たたきをする
食器を並べる
お風呂を掃除する
小さい頃の約束ごとは
ごく自然に繰り返された
傍(はた)とは周りのことを言い
周りを楽にすることが
はたらくことだと後で知る
喜ばれるのが嬉しくて
いつのまにかはたらいていた
お天気の良い午後の町を
自転車で走ってみる
穏やかな風が
そっと吹き抜けていく
道を挟んだ向こう側には
見慣れた山がそびえている
いつも
同じように見えるけれど
少しずつ姿を変えているのは
遠くから見ても分かる
濃い緑色の間に顔を出す
若々しい黄緑色は
...
満開を過ぎて
風に舞えば吹雪
もう少し経てば
葉桜と呼ばれる
その少し前
濃い赤紫のガクに
薄桃色の花弁を残す傍
噴出した若葉が
対照的な黄緑を添える
呼び名も無い
満開と葉桜の間の
移り際の桜
ゆっくりと姿を変えながら
季節の変わり目を告げる