■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(36)
- カテゴリ: その他
- 2010/08/16 00:01:19
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 八(3)
印象派の畫になれば、モネー(C.Monet)が得意の海洋研究の強い色彩でも、ラファーヱリ(J.F.Raffaelli)が瀟洒な水邊の色彩でも、全面の上に一つの調子の明になるのは云ふまでもないが、それですら、なほ多分に内容の局部的圖象に負ふ所が...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 八(3)
印象派の畫になれば、モネー(C.Monet)が得意の海洋研究の強い色彩でも、ラファーヱリ(J.F.Raffaelli)が瀟洒な水邊の色彩でも、全面の上に一つの調子の明になるのは云ふまでもないが、それですら、なほ多分に内容の局部的圖象に負ふ所が...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 八(2)
繪畫上の自然主義には後期の發展に屬する印象派に先だち且つ相并んでフランスのミレー(J.F.Millet)イギリスのミレー(J.E.Millais)等の本來自然主義がある。自然主義と寫實主義との主要な區別の一つは寫實主義が其の寫しただけの眞實に...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 七(6) - 八(1)
而して此の階段はやがて夫の自然主義の發足點である。ワーヅワースは山林を見、羊の群を見る目で人間を見て、此等のものの一つになる所に自然を見た。また十九世紀末の自然主義は人間が動植物と連り、土や空氣と連なるところに眞の意義を見んとし...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 七(5)
之に對してネチュリズムを見るときは、是れ亦ネチュラリズムと根本に於いて相通ずるものであるが、始めは專ら畫壇に用ひられて、一派の人々がヒューマニズムの反對の行き方をしやうとしたのである。即ち人間を避けて成るべく自然を畫かうとする、動植物なり風景...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 七(4)
人間が自然の上に影を投じてあらゆる自然は人間を説明するための寓意のやうに見えて來る。つまり自然を人間に引き直さねば承知しない思想である。而して此の風潮の最も著しく見はれたのはイギリスの繪畫の上であつて、例へば動物畫を以て古今第一と稱せられたラ...