びっくりしたことを、この際七草がゆ前に書いておく。
なんというか、わたしの中でお正月がらみの話なので。

スーパーの食品売り場でようやく気付いた。
関東で言う白味噌は、白味噌じゃなかったんだ、と。
あ、わたしが思う「白味噌」じゃないってこと。
「白味噌」って言葉が指すものが違っていたのだ。

おかしいとは思っていた。
インスタントの味噌汁なんかでも平気で「白味噌仕立て」と書いてあったから。

関東圏では信州味噌なんかでも、色が薄ければ「白味噌」であるらしい。
検索してみると、塩分濃度が低くて熟成期間が短いものを「白味噌」、一年以上熟成させたものを「赤味噌」と言う、となっていた。

驚いた。
「白味噌」とは西京味噌を指す言葉だったので。
いや勿論、あくまで関西育ちの人間の感覚だけど。

西京味噌はクリーム色の甘ぁ～い味噌で、酢味噌でぬたにしたり、魚の切り身等の味噌漬（西京漬）を作ったりすることが多い。
合わせ味噌としてならともかく、単品で味噌汁にするとかなり甘い。
そんな味噌の味噌汁が日常的な食事にあわせる品として、商品化されるのは変だと思うべきだったのだ。

かなり甘い、と書いたことで気付いた人もいるだろう、この「白味噌」での味噌汁を口にする時期がある。
この時期、お正月だ。
関西の雑煮はこの、白味噌仕立てが多いらしい。
実家の雑煮もそうだった。

カツオと昆布のダシで、かしわ（鶏肉）とカマボコ、ホウレンソウや小松菜みたいなゆでた青菜と、カイワレとか三つ葉あたりの浮き実、これで白味噌仕立ての汁になる。
これにゆでた丸餅が入って、食べる直前に花鰹がはいって湯気でふわふわ踊ることになる。

だが、想像できるだろうか?　この西京味噌は甘い。
でもって餅は断固としてゆでる。自分の分だけでもと、焼こうとしたら阻止された。
だるん、と溶けかかった餅と、甘ぁ～いお汁、……正直、結構ヘビーだ。
気分を替えようということで、二日目や三日目のおすましになった時の方が正直うれしい。

もっとも大きい「白味噌」の使い道はこの雑煮だろう。
年末になるとこの味噌を置く場所がひろげられて、そろそろ年が替わるなぁ、なんて思っていた。
いや言ったとおり、あまり得意な味ではないんだけど、ね。