君への忘れ物 (1)
- カテゴリ:自作小説
- 2009/12/15 18:44:30
夜空には神秘的な瞬きの群れが踊っていた。
その光の粒子は音もなく舞い降りてきて、胸にしんしんと降り積もっていった。
ただ眺めているだけで、心が清らかに洗われていくようだった。
「そろそろ、帰るか」
どれほど、夜空を眺めていただろうか。
酔いは幾分さめてきた、普通に、歩って帰れるだろう。
第一この時期、外で寝たりしたら凍死しかねない寒さだ。
夜道を早足で駆け抜ける。
事務所兼自宅は、既に光が落ちていた。
Missサラはとっくに寝ているだろう。
合鍵を握り締め、ゆっくりと我が家に近づいていく。
と、事務所の前に人影を見つけた。
通行人を装い、近づき声を掛けてみる。
なんてことはない、サンタクロースの格好をした宅配便の業者だったようだ。
そうか…。もう日付は、25日クリスマスになっていたようだ。
事務所の鍵を開け、サインをして包みを受け取った。
こんな夜中まで、仕事とは恐れ入る。
包みをサラのデスクの上に置くと、部屋に戻り本格的に寝ることにした。
これが、不思議なクリスマスの始まりとは知らずに…。
『君への忘れ物』
翌朝、休みのはずの俺は、叩き起こされた。
しぶしぶ、事務所に顔を出すと、事務員のノーマがコーヒーを手渡してくれた。
それに、口をつけることはせず、サラのデスクへと近づいた。
デスクの周りには、サラ、ノーマ、それとなぜか居ついたアイツといつもの面々が雁首を並べていた。
サラは俺の顔を見るなり、食って掛かってきた。
「これ、アンタが受けたの?」
「ああ、そうだが?」
何のことかわからない?
だが、サラは合点が行ったようだった。
「ならいいわ」
ノーマとアイツは中身に興味津々なようだった。
サラは包装を丁寧に解くと、箱を開けた。
中身はジュエルボックス。
ジュエルボックスを開けると中には、指輪が1つあった。
「ターコイズブルーね」
ノーマが最初に口を挟んだ。
青空を取ってきたような青い宝石が、そこにはあった。
それだけ?、それだけ??
「ヒュー、社長も隅に置けませんね~」
茶化すようにアイツはつぶやいた。
それを意に介す素振りも見せずあわててサラは伝票を確認する。
そこに、差出人の名前はなかった。
あったのは、宛先のサラの名前だけ。
「え?」
こんなことがありえるのだろうか?
電話を取り、2言、3言やりとりをしていた。
「そんなことは、ありえないはずですが…か?」
サラに振ってみる。
サラは、静かに、うなずく素振りをして見せた。
一体誰が?こんなことを?
その場の全員が固まってしまった。
「だれか、心当たりはないのかよ?」
サラは、ああ見えてそれなりにモテテいる印象があった。
だが当人は、首を横に振るばかり。
やがて、サラは悪い笑みを浮かべながら
「ところで。お2人さん、私と一緒に楽しいクリスマス過ごさない?」
どう考えても、悪い予感しかしない、一刻も早く断らなければ、その先制をアイツにとられた。
「クリスマスに、お仕事するのはニコラスさん位でしょ♪」
掛けてあったコートを一瞬で羽織ると
「今日は、美女を3人待たせてるのよ、メリークリスマス」
などというなり事務所から、飛び出していってしまった。
「じゃ俺も」
そういって離れようとしたが、動けない。
手首を既に、握られていたからだ。
「 …は、お姉ちゃんと楽しいクリスマス過ごすわよね?」
この状況で、どうして逃げられようか?
「…はい」
「よろしい」
「じゃあ早速、この伝票の担当者に電話してね」
姉だけが楽しいクリスマスが始まった。
「どうだった?」
受話器を置くとサラが近づいてきた。
「どうも記憶にないらしいな、依頼人欄を空欄で通すことは絶対にないって言い張ってる。依頼人が適当な住所を書くことはあるだろうけどな」
「だったら、一体どーゆワケなの?」
「さあな、全然わからん」
お手上げのポーズをしたまま、大きく椅子の背もたれにもたれ掛かった。
「それにしても変な指輪よね」
ノーマがつぶやいた。
「どこが?」サラと俺は同時に声を上げた。
「なんていうのかなぁ、デザインが古いのよ。台座は少しくすんでるし、飾り石も無しでターコイズだけなんて、今時ありえないでしょ? ターコイズなんて昔はともかく、今はそれほど価値ある石でもないし」
言われて見れば、そんな気がしてきた。
さらにノーマは続けた。
「この包装紙も、少し古くない?箱の角ですれちゃってるし」
白っぽい紙で、気付かなかったが、確かにすれていた。
この辺りに、差出人のヒントがあるのかもしれないな。
そう思っていると、今度は指輪をいじっていたサラが声を上げた
「…えっ?こんなことって…」
「どうした??」
「ありえないのよ!彼は10年も前に死んでいるはずなんだから…」
お待ちしていました!結構時期ハズレになってしまいましたが、どうぞお楽しみください。
一応、「星を盗む男」のあとの話です。
送り主のわからない ターコイズの指輪・・・。
どんな展開になるんでしょうね✿
不思議なクリスマスですか^^ ちょっと切なくて 素敵なお話しの予感がします(。◕ ◡ ◕。)♡...
なかなか時間がとれずに、筆が進みません。
ですが、今さっき、ザザって書きました。是非よんでください~
10年の時を経て 彼からの忘れもの プレゼント? 謎です
早く 次読みたいです^^❄ 彼はさんたさんになったんでしょうか^^☆
モデルそのまま、なんていったら怒られそうですがw
監修は、最後につけますね
お~デジホのお話、今度是非聞かせてください。
訪問ジャスト6000おめでとうございます。
もっとカタカナ増えていきます。がんばって付いて来て~
カタカナはもうちょっと増えます。
監修の名前が入ってないね~(´-ノo-`)ボソッ...
続きまた読ませてもらうね(^^)/~~~
まっっったく関係ないのですが、…デジホを思い出すなあ~…。
(※似てるというわけではないです。ただ…まあ長くなるので機会があればで…)
カタカナが頭に入りにくい…( ̄ω ̄;)
なんだかお久しぶりですね。
がんばって仕上げたいと思います~楽しみにしててね
えええ?そうなんですか?やっぱりクリスマスの話?
なんだか被りそうな予感がしますがw
うわーーーwそこもピンポイントで伏線なんですけど。
するどい読者が増えましたね・・・。
続きは、なるべく早く~書きたいですね。
お楽しみにしていてください。
モデルは、まんまですよw性格も忠実に・・・。
サラの過去が明らかになるこの話!お楽しみに
なるべく、クリスマスには終わるように書き上げたいです。
終わらなかったら・・・。ごめんなさい
ayaさんに褒められるとなんだか照れますね。ayaさんもお上手な文を書かれる方ですので。
ちょっと不思議で、ちょっと切ない物語、お待ちください!
あ~~~するどいトコ突かれてるなぁ。大きな3つの伏線のウチのひとつを突いてます。
あの事件の少し後の話になるので、アイツは鞠さんの好きなアイツですよ。
もっとも、出番はココまで、本来はあの事件の前の話でしたので出番はなかったのですが、出しましたw
昔書いた物の出だしが同じ様にターコイズブルーの指輪だった事を思い出しました^^
続き、楽しみにしてます((´∀`*)/
続きはいつかな~^^
続きが気になるじょ~☆.。.:*・゜
小説の中のサラも結構強引なのねぇwww
どんなクリスマスになるのかにょ~???
出来るだけ早く見せてね^^
楽しみにしています♪
「これが、不思議なクリスマスの始まりとは知らずに…。」
からタイトルに入るところが。
「不思議なクリスマス」。。続きを楽しみにしています^^
すっかり惹きこまれて読んじゃいました!!
続きが気になる~
ところで、主人公はどなただろう。
ニコラスって名前、前に出てきてました?
もしかして私の記憶力が悪いせいで覚えてないのかも…
そしてアイツはどいつなのだろう。
私の好きなアイツなのかな~