Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



Dグレのキャラで物語つくってみた 14

「…アレン…」  

自分の声で目が覚めて、伸ばした腕は空を掴んだ。

爪が食い込むくらい、ぎゅっと拳をにぎりしめる。
 

「…目、覚めたんだね」 
 
 
鈴が鳴ったような声で私の名を呼んで、白い手で私の髪を撫でる。
 
  
 
「…リナリ…?」
 
 
彼女はベッドの横に腰掛け、私の顔を覗き込んでいた。
 
綺麗な黒髪は…、嗚呼どうして。
 
私は一度瞬きをして、視界を滲ませる温かい水を流す。
リナリーの頬に触れ、慈しむように両側から挟み込む。
 
 
「リナリー、どうして血だらけなの?」
 
 
額からも、薄い唇からも、衣服は裂け、そこから見える白い肌も、鮮血に染まっ ていた。
 
リナリーはそれでも美しい微笑みで、私の手を包み込む。
 
 
 
「何でもないよ。姫が気にする事じゃないの」
 
 
どう見たって、転んで出来るような傷じゃない。

そう、もっと鋭利な刃物で切り裂いたような。
 
 
「嘘ばっかり」
 
 
涙で声が震える。
 
 
 
 
気絶する前の出来事がコマ送りに思い出された。
 
有無を言わさないキス、私は熱に浮かされて、そして貴方は可愛らしく笑う。
 
 
『ごめん、姫』
 
 
リナリーは私が起きたのを見届けると、ゆっくりベッドへ身を沈めた。
 
裂けた身を見て、眉をしかめる。
 
 
「…酷い傷…」
 
 
彼女は致命傷では無いが、多数の傷を体中に負っていた。
 
呼吸をしている事が、私に安心感を与える。
 
以前は怪我人なんて見たってどうも無かったというのに。
 
―…そういえば、ここに来てから人を殺してないな。
 

 
「随分と、肝が据わってるみてぇだな…」
 
  
物思いに耽り、彼女の頬を撫でていたら不意に声がした。
 
  
「…貴方は…カンダ…?」
 

 
アレンと闘った時に、助太刀に来た。
 
相変わらずしかめ面だけど。
 
彼はリナリーの顔を覗き込み、私を見た。
 
漆黒の、瞳。
 
 
「…貴方も怪我してる…」
 
 
私は零れる涙を拭わなかった。

何故なら彼等が怪我を負っている理由が分かるからだ。
 
カンダは無愛想のまま、腕を組む。
 
 

「気にするな。怪我なんて日常茶飯事だからな」
 
 
私の涙は止まらない。
彼やリナリーが怪我をしているから、それもある。
 
 

「うう…う-、」
私が哀しい本当の理由、それは。
 
 
 
 
 
―…アレンはどこに行ったの。
 
『ごめん、姫』
 
 
彼の太陽のような笑顔が、脳裏に焼き付いて離れない。
 
 
 
 
 
 
 
 
→NEXT

#日記広場:日記




Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.