Dグレのキャラで物語つくってみた 12
- カテゴリ:日記
- 2009/12/06 11:20:30
夢の中で誰かが言った。
もう無理しなくていいんだよ、と。
差し延べられた手は優しくて、温かくて、でもどこか壁を作っていた。
…千年公、貴方は本当に、心から私を助けてくれたんだよね?
いつも、そう問う自分が居る。
「千年公」
名前を呼ぶ事は私にとってとても勇気の要る事だった。
彼は私をファミリーの一員にしてくれた大事な人で、命の恩人。
私が感謝すべき人だから。
放つオーラは優しいものだった。
怒っている彼なんて見た事もない。どこにでも 居る普通の人。
千年公は頭まで隠れる大きな椅子に座っていて、私の声が聞こえたのか、ゆっく りと椅子を回した。
ギイ、と音が鳴る。
「どうしたんですか?」
私は酷く汗をかいていた。
べっとりと背を濡らし、緊張を煽る厭な汗だった。
「…あの」
ごくん、と唾を飲み下す。
まさか任務の失敗を伝える事がこんなに辛いだなんて、知らなかった。
千年公は穏やかな笑みを讃えて、いつもと変わらぬ瞳で私を見詰める。
「姫、恐れる事は何も無いですよ。正直に言いなさい」
「…はい…」
千年公は優しい。
そう、だから何も恐れる事は無い。彼は私の感謝すべき人、命の恩人。
私はどこか勇気を取り戻して、努めて普通に言った。
「…ごめんなさいボス、私、任務遂行失敗してしまいました」
しばしの沈黙が訪れた。
冷や汗が流れる。ボスは本当に怒ってしまった…?
考えたくない疑問が過ぎり、私はキリキリと胃が痛んだ。
沈黙に耐え切れず、私の方から口を開く。
「あの、ボス…?…私」
謝ろうと思った。
だけどそれは、突然顔を上げた彼の射るような視線によって遮断される。
千年公はしばらく私を見て、一瞬だけ眉をしかめた。
「…そうですか、まだ姫には早かったね」
声は至って優し気で、怒りなど微塵も感じられない。
「次こそは成功させます!!!」
私は必死だった。
彼に見捨てられるのが嫌だったから。
少なからず、私は彼に依存していた。
…本当の親の様に。
千年公は微笑みさえ浮かべず、私を見詰め続ける。
怒っている言動や仕種はなかったけれど、何故か彼の瞳は冷たい。
私の目を見ながら彼は口だけを動かした。
「わかりました。…期待していますよ、姫」
「はい!」
私は精一杯の笑顔で彼に頭を下げて、部屋を後にした。
最後の方は顔に笑みがあったような気がして、気分が楽になったのだ。
私は期待している、と言う言葉が、罠、だと言う事にも気付かないで、本当の闇 に足を踏み入れる。
本当に千年公を信じていた。
よく目を凝らせば偽りの仮面の向こう側を見る事が出来たのかも知れないのに。
千年公が失敗を許してくれた事をロードに話すと、彼女はさも驚いたと目を見開 いた。
「ホントぉ!?…千年公はぁ任務の失敗、1番嫌うんだよぉ!怒ると怖いんだからぁ 」
その言葉を聞いて、体内から冷えたように寒気を覚えた。
じゃあやっぱり、さっきの千年公は怒っていた?
「…そう、なんだ…」
私は震える声で、小さな彼女の頭を撫でる。
気を落ち着けたくて。
ロードは可愛らしく、ニコッと笑うと私の手を取った。
「まあ、姫だったから許してくれたのかもぉ。姫の事気に入ってるんだよ、千年公」
語尾は柔らかく、優しさに満ち溢れたロード。
私はまた拘束された事にも気付かないで、それでも笑顔で媚びを売る。
「うん、私褒めて貰える様に頑張るから」
真っ暗な闇へ。
…お願いだから、私を嫌わないで下さい。
突然目が開いた。 白い天井は私を落ち着かせる。
「…ふう」
前髪をかきあげて、ため息をついた。
ベッドに腰掛け、タバコに火をつける。
…随分と昔の夢を見た。
額には汗が滲んでいる。
「………」
どうしてあんな夢を見たのだろう。
初めて任務失敗をしたあの日の夢だった。
ふと懐かしい顔を思い出す。ロードにティキ。
今私の事探してるのかな…。
「千年公」 心に繋がれた鎖が、ガチャリと重さを増した気がした。
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