和尚さんのお話
- カテゴリ:家庭
- 2009/11/29 11:59:38
昨日は、祖父の三回忌でした。
和尚さんにお経をあげてもらって、そのあと「最近の親達は道徳とかしつけをちゃんとしないから、子供達の道徳観が薄れている」と和尚さんの子供の時の話をしてくださいました。
小4の夏休みに友達と遊んでいる時、おなかが空いてきたので近くの檀家さんの畑にいって、友達に「檀家は親戚みたいなものだから、スイカ1つとトマト5つ取って来ていいぞ」と友達に取らせてみんなで食べたんですって
その様子を遠くでお祖母さんが見ていたらしく、家に帰ると白装束に短刀を持ったお祖母さんが、すごい形相で玄関口に立っていて、本堂に連れて行かれ、服を全部脱がされて「そこに座れ!」という
「この家で、人の物を盗むような者は一人として出たことがない!しかも人に盗ませるとは何事だ!これでお前の姉さんも妹も嫁にいけなくなった。どうするんだ!」と日頃優しいお祖母さんが、人が変わったように目を三角にして怒ったのだそうです
「檀家は親戚のようなもんだから、いいと思って…」
「馬鹿もん!何が親戚だ!あれは泥棒だ!お前のような者は死んだ方がいい!」と言って短刀を抜く…
「おばあちゃん、ごめんなさい!ごめんなさい!」と和尚さんはお祖母さんの豹変ぶりが怖くて、必死に謝ったそうです
「だったら、わしがいいと言うまで、お経を唱えろ!」
和尚さんは裸のままお経を唱えていましたが、いつまで経ってもお祖母さんはいいと言ってくれない
見かねた母親がもう許してあげたらと声を掛けると「お前のしつけがなってないからこういうことになったんだろう!」とお母さんまで怒鳴られる始末
和尚さんは必死になってそのままお経を唱え続けて、ずいぶん経ってからやっと許してもらえたそうです
78歳になった今でも、その時のことははっきりと覚えていて、あの時怒ってくれた祖母に感謝しているとおっしゃっていました。
情報の伝達が今ほど発達していないその時代、人の口づてでの情報速度は今では考えられないほど早かったんではないでしょうか。
小さな地域で悪い噂が広まれば、それが致命傷になってしまい、場合によっては本当にお嫁に行けなくなってしまうこともあったんだと思います。
地域の中での繋がりが希薄になってきたことが、親のしつけがきちんとされなくなってきたことの原因の一つなのかもしれないなぁと思いました。