硝子の波止場
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/11/05 23:26:16
午前二時
街の灯りが海に溶ける頃
俺は最後の煙草に火をつけた
湿った潮風が
肺の奥の傷口をちくりと刺す
街の灯りが海に溶ける頃
俺は最後の煙草に火をつけた
湿った潮風が
肺の奥の傷口をちくりと刺す
「行かないで」と
引き留めるような甘い台詞は
この港の霧笛がかき消した
最初から
俺の行く先を知る者は誰もいない
引き留めるような甘い台詞は
この港の霧笛がかき消した
最初から
俺の行く先を知る者は誰もいない
コートの襟を立て
夜霧のなかへ一歩を踏み出す
背後で波が
すべてを洗い流すように嗤っていた
夜霧のなかへ一歩を踏み出す
背後で波が
すべてを洗い流すように嗤っていた
さらば、愛した街よ
重い足音だけを
この冷たいコンクリートに残して
重い足音だけを
この冷たいコンクリートに残して























