Nicotto Town ニコッとタウン

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硝子の波止場


午前二時
街の灯りが海に溶ける頃
俺は最後の煙草に火をつけた
湿った潮風が
肺の奥の傷口をちくりと刺す
「行かないで」と
引き留めるような甘い台詞は
この港の霧笛がかき消した
最初から
俺の行く先を知る者は誰もいない
コートの襟を立て
夜霧のなかへ一歩を踏み出す
背後で波が
すべてを洗い流すように嗤っていた
さらば、愛した街よ
重い足音だけを
この冷たいコンクリートに残して

#日記広場:小説/詩




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