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リンドウの花に寄せて②


だれも言葉をかけない夕暮の
ひろい世界の いちばん端つこに
青いリンドウの花がひらいてゐる
ただそれだけの しづかな秋の午後
風はどこかで 寂しい歌をうたひ
ちひさな雲を 遠くへ運んでゆく
僕の影は 草のなかに長く伸びて
いつのまにか 夜のなかに消え去らうとしてゐる
人はみな それぞれの家へと帰り
山のひだには ともしびが点りはじめる
僕はただひとり ここに立ちつくし
つめたい空気の 底に沈んでゐる
あきらめのやうな かすかな光をたたへて
君はなぜ そんなに深く青いのか
僕の心もまた だれに宛てるでもなく
この日暮のなかに そつと閉ぢられてゆく

#日記広場:小説/詩




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