月よりの使者 1
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/09/21 14:41:52
かすかな青いひかりをあつめて
しづかに 夜の窓辺に降りたつものがある
それは遠い記憶のやうに
誰も知らない言葉を運んでくる
しづかに 夜の窓辺に降りたつものがある
それは遠い記憶のやうに
誰も知らない言葉を運んでくる
君が昼のあいだに忘れてゐた
ちひさなため息や 傷ついてゐたこと
それらをすべて やさしい影につつみ
冷たい銀の指先で そつと撫でてくれる
ちひさなため息や 傷ついてゐたこと
それらをすべて やさしい影につつみ
冷たい銀の指先で そつと撫でてくれる
「ねむりなさい」と声がする
風の吹かない部屋のすみに
月よりの使者は しばらくたたずみ
やがて消えゆく ともしびのやうに
淡い夢のなかへ 帰つてゆく
風の吹かない部屋のすみに
月よりの使者は しばらくたたずみ
やがて消えゆく ともしびのやうに
淡い夢のなかへ 帰つてゆく
あとにはただ 白い月光と
ほのかにのこる かなしみの匂いだけ
ほのかにのこる かなしみの匂いだけ


























