灰のなかの歌 ――普賢岳に寄せて
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/09/17 19:59:41
そこにひとつの崩壊(ほうかい)があつた
有明の海をわたつてくる風のなかに
白くただ凍えてゐる山が
おまへの去つたあとのやうに 美しく燃えてゐた
有明の海をわたつてくる風のなかに
白くただ凍えてゐる山が
おまへの去つたあとのやうに 美しく燃えてゐた
私はつめたい光のなかに立ち
あかるい灰の降る空をただ見上げてゐる
オルフェの竪琴(たごと)のやうに
私の心は ただ激しく震へてゐた
あかるい灰の降る空をただ見上げてゐる
オルフェの竪琴(たごと)のやうに
私の心は ただ激しく震へてゐた
おまへはもう忘れてしまつたのだらうか
ルバイヤートの頁(ページ)をめくるやうに儚(はかな)い
崩れゆく嶺(みね)が湛(たた)へる最後の祈りを
ルバイヤートの頁(ページ)をめくるやうに儚(はかな)い
崩れゆく嶺(みね)が湛(たた)へる最後の祈りを
けふも私のなかで風がうたふ
もう声も届かぬ そのうしろ姿に向かつて
涙にむせぶ雲のやうに ただ独り
もう声も届かぬ そのうしろ姿に向かつて
涙にむせぶ雲のやうに ただ独り

























