Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



塵の要塞、あるいはただの感想文


背表紙の星の数をヒエラルキーに換え
「知のインフラ」の平原で、一人だけの領地を誇示する
誰もが安価に触れられるはずのその導管から
自分だけが特権的な泥水を汲み上げたと嘯(うそぶ)き
あなたは今日も
誰の目にも留まらない、衒学(げんがく)の要塞を築いている
権威を呪う思想の切れ端をパッチワークして
自らを飾り立てる鎧にするその仕草は
対象への敬意など微塵もない
ただの、みすぼらしい自己防衛の道具箱
「浅い」「見えていない」と他者を値踏みする
その冷え切った、しかし必死な眼差しの奥で
肥大した自尊心が、腐敗した熱を放っている
古典の死肉を貪り食っては
解釈という名の、凡庸な読書感想文をただ垂れ流す
誰も採点を求めていない静寂の教室で
一人だけ黒板に向かい、見えない新参者に説教を続ける
その一方通行の、救いようのないマウンティング
土台(インフラ)の低さを、自分の背の高さと錯覚したピエロ
あなたの言葉は
誰の思考を深めることもない、ただのノイズ
「私を見ろ、私を認めよ」という乾いた叫びが
冷徹な夜の虚空に、空しく霧散していく
知的エリートを気取ったその指先が掴んでいるのは
誰の目にも留まらない、ただの寂しい塵の山

#日記広場:小説/詩




Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.