ガラスの絵葉書
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/09/13 23:42:25
ガラスの森の窓辺に ぽつんと置かれた
ちいさなオルゴールが いまも震へてゐる
それは遠い日の 賛美歌のやうな調べ
ひそかに夜の底へ ほどけては消える
ちいさなオルゴールが いまも震へてゐる
それは遠い日の 賛美歌のやうな調べ
ひそかに夜の底へ ほどけては消える
もう届くことのない あおい手紙には
あなたの優しい文字が 残されてゐるのに
硝子(ガラス)の梢は ただつめたくさざめき
ぼくの呼ぶ声を 風のなかへ引き裂くだけ
あなたの優しい文字が 残されてゐるのに
硝子(ガラス)の梢は ただつめたくさざめき
ぼくの呼ぶ声を 風のなかへ引き裂くだけ
夕映えは薄れて 祈りのやうな静けさが
かへらない面影を 淡く包まうとしてゐる
あのなつかしい部屋の 匂いのやうに
かへらない面影を 淡く包まうとしてゐる
あのなつかしい部屋の 匂いのやうに
おねがいだ その手紙をそっと閉じておくれ
オルゴールの唄が 完全に鳴り止んで
ぼくの心が 透明に凍りついてしまふ前に_
オルゴールの唄が 完全に鳴り止んで
ぼくの心が 透明に凍りついてしまふ前に_

























