ガラスの森(オルゴールの音色)
- カテゴリ:自作小説
- 2026/09/13 23:40:15
ガラスの森の奥で ひそかにまわる
錆びついた ちいさなオルゴール
だれの手もふれないのに かなしく狂ひ
かすかなネジの軋みを 風にまぎらす
錆びついた ちいさなオルゴール
だれの手もふれないのに かなしく狂ひ
かすかなネジの軋みを 風にまぎらす
あのひとが好んだ 古いゆめのような調べ
硝子の葉と葉がふれあふ きらめきのなか
もういちどだけ ひびいておくれと
ぼくはつめたい幹に ひたいを寄せる
硝子の葉と葉がふれあふ きらめきのなか
もういちどだけ ひびいておくれと
ぼくはつめたい幹に ひたいを寄せる
けれど歌は 途切れがちにほどけてゆき
夕映えの底へ ひとつずつ毀(こぼ)れおちる
かへらないあの日々の なつかしい囁きのやうに
夕映えの底へ ひとつずつ毀(こぼ)れおちる
かへらないあの日々の なつかしい囁きのやうに
おねがいだ どうかネジを巻き戻してほしい
夜のしじまが この森を完全に凍らせて
音楽が 永遠に鳴り止んでしまふ前に
夜のしじまが この森を完全に凍らせて
音楽が 永遠に鳴り止んでしまふ前に

























