Nicotto Town ニコッとタウン

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ガラスの森


あやふやな光のしずくが こぼれて
だれもいない小径(こみち)を ひそかに濡らす
そこには冷たい ガラスの梢(こずえ)がしげり
かすかな風のそよぎに さざめいてゐる
ぼくの失くした言葉は みな
あおい葉裏のきらめきに なって
窓をひらいた あの日の記憶のやうに
いつまでも いつまでも 震へてゐる
夕暮れは ゼリーのやうに透きとおり
遠い雲の国を 淡く夢見せるけれど
もうここには だれも帰ってはこない
小さな硝子(ガラス)の小鳥よ 歌っておくれ
けっして目覚めることのない かなしい夢を
夜のしずけさが やさしく引き取るまでに

#日記広場:小説/詩




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