Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



往く先の空は 青空だった
白い大きな雲が横を向いた天使に見えた
その周りをさざ波のように雲が追いかけているように見えた

福島の表示を見た時 空気が変わったような気がした
それは そっと触れて 居るよ?と いう感じに

私は 懐かしい其の匂いに沿いたいと思った
けれど どこを見ても廃墟
トウモロコシ畑とわかるその場所は
あちらこちらに茶色に萎びれた実を宿し
又 来年も 誰も手入れしない来ないその場所で
変わりなく 実を実らせるのだろう

そうした景色はずっと続く
そうした景色をずっと追いかけて追い越していく

たどり着いた場所は違和感はあるけれど
此処だと思うものもあり
叔父に電話したら 協同墓地に隠れて
元から立っていた墓地がほんの少し先に見えた

あれでは気づかないだろうし
説明も難しい
共同墓地から隠れて見える場所なのだから

それでも **の名字の墓を
数件見て歩き 祖母の名前を見つけ
やっと ほっとしたら

祖母の好きだった 和菓子を紙皿に乗せ
祖父が飲んでいたと聞いた 日本酒を紙カップに注ぎ
叔父が食べたかっただろう 和菓子を添え
山の神様 母様 其の土地の神様にも 紙カップだけど
日本酒を注ぎ置き 菓子を紙皿に乗せて手を合わせた

やっと来れました。
20年でしょうか?
次はもう来れないと思います
だから・・・

そうした想いは数分だけで奪われる
急かれて運んでくれた人に別の場所に連れていかれる

踏みしめたかった故郷
もっと嗅ぎ続けたかった其の匂い

まるで変異した化け物のような森林の間を抜け
ハッと気づいた

虫の声がなかった
鳥が空を舞う姿が無かった

在ったのは 人間が取り戻そうといる形

人がすれ違う場所で私は人の姿がぶれて見えて
後れて歩いて先に居た身内に怒られた
でも 本当に 判らないんだ
目の前の身内がぶれてまるで歪んで見えて
それがずっと続いて

帰りのトンネルの上の方は紫の変なシミがあって
それが砂時計のように滴り落ちて
それを見続けながら 何故か
自分をしっかりたももたないと、と思った

空気が変わる其の瞬間も
気配が変わる其の刻も

気を許さず
自我を保ちながら
びりびりする右腕を抑えながら
過ぎ去るのを待った

追いかけてこない
そして気づく

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