薄紫の風に
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/09/10 21:11:29
やわらかな薄紫のパステル画のなかで
風は、あるかなきかに震えている。
誰も傷つけない、うつくしい嘘だけが
この小さな部屋を、そっと満たしている。
風は、あるかなきかに震えている。
誰も傷つけない、うつくしい嘘だけが
この小さな部屋を、そっと満たしている。
ねじを巻けば、いつかきいたオルゴール。
すこし古びた、やさしい調べ。
私たちは、おたがいの偽善に微笑みながら
ガラス細工の未来を、しずかに毀(こわ)してゆく。
すこし古びた、やさしい調べ。
私たちは、おたがいの偽善に微笑みながら
ガラス細工の未来を、しずかに毀(こわ)してゆく。
かなしみは、こんなに透きとおって
光の粒のように、風に舞う。
すべてが、夢のなかの出来事ならよかったのに。
光の粒のように、風に舞う。
すべてが、夢のなかの出来事ならよかったのに。
崩壊のあとの、なにもない空へ
風は、ただ、パステル画の青をはこぶ。
私たちは、いちばん綺麗な思い出だけをのこして。
風は、ただ、パステル画の青をはこぶ。
私たちは、いちばん綺麗な思い出だけをのこして。

























