Nicotto Town ニコッとタウン

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新涼の月によせて


明るい月が 静かに昇る
硝子窓の向かうの 薄青い夜の中に
微かな風が 薄の葉を揺らし
私の部屋の 灯火を吹き消す
暗がりのなかに 朽ち葉の匂ひが満ちて
どこかで 小さな虫が鳴いてゐる
それは 一つの優しい記憶のやうに
冷たい光を 床の上に広げる
溢れるほどの 悲しみのやうな
冷えまさる夜気に 身を浸しつつ
私は 去りゆく季節(とき)を想ふ
見上げれば 淡き銀河の流れて
月は 何も語らずに座してゐる
その影が 手のひらに零れるまで――ただ 涙のやうに

#日記広場:小説/詩




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