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蒼の夜汽車に寄せて2


夜汽車は どこへ僕を運ぶのだらう
窓のむかふには 昏(くら)い夜のひろがり
かすかにひびく 古いチェロの音楽(うた)が
僕の耳の底で ずっと 鳴りやまずにゐる
あゝ それは 遠い秋の日の記憶のやうに
ともされたランプのひかりのなか
あかい紅葉(もみぢ)の葉が ひとひら、ふたひら
僕たちの足もとに 落ちてゐた時間(とき)
おまへの指は つめたく凍へてゐて
僕は その手を 握りしめることもできず
ただ 過ぎ去つた季節の 燃えるやうな木々を
この闇の向うに 夢みてゐるばかり
追憶は 窓ガラスの露(つゆ)に濡れて
古い弦の音(ね)とともに 遠ざかる
夜汽車よ ゆけ、まだ見ぬ終着の駅へ
かのあかい葉の 降り積もる場所へ——

#日記広場:小説/詩




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