月光のエンブレイサブル・ユー
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/08/11 20:10:48
深夜二時の十字路
ネオンの灯りが途絶えた場所で
行き場をなくした風が
トレンチコートの裾を揺らす
ネオンの灯りが途絶えた場所で
行き場をなくした風が
トレンチコートの裾を揺らす
かすかに聴こえるのは
夜の隙間を埋めるサラの低音
傷ついた心に深く深く染み渡る
優しく、重い、愛の告白
夜の隙間を埋めるサラの低音
傷ついた心に深く深く染み渡る
優しく、重い、愛の告白
「私の愛を受け入れて」
寂れた波止場へ続く道
足音だけが夜の静寂を刻む
錆びついた錨(いかり)の向こう
黒い海が静かに息を吸っていた
足音だけが夜の静寂を刻む
錆びついた錨(いかり)の向こう
黒い海が静かに息を吸っていた
雲が裂け、月光が降り注ぐ
冷たく、鋭い、一筋の光
それはまるですべてを暴くように
波止場のコンクリートを白く染め上げる
冷たく、鋭い、一筋の光
それはまるですべてを暴くように
波止場のコンクリートを白く染め上げる
ポケットに両手を深く突き込み
ただ一人、水平線を睨む
ここにはもう、奪い合うものなど何もない
あるのは静かな決意だけ
ただ一人、水平線を睨む
ここにはもう、奪い合うものなど何もない
あるのは静かな決意だけ
「代わりのきかないあなた」
届かない腕をそっと伸ばし
夜風の中にその幻を抱きしめる
月光に照らされた影が
静かに、長く、波止場に伸びていった_
夜風の中にその幻を抱きしめる
月光に照らされた影が
静かに、長く、波止場に伸びていった_

























