Nicotto Town ニコッとタウン

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誰もない森の夏雲によせて


しづかな森の 梢のうえに
大きな雲が 湧きのぼつてゐる
だれも知らない 古いみづうみのやうに
青い空に しろく たたずんでゐる
そこには 僕のあしあとすらなく
ただ ひそやかな風のゆききばかり
くりかへす言葉は 木々の葉にのまれて
遠い記憶のやうに ただ濁つてゆく
おまへはそこから 僕を見てゐるのか
あの日のやうな やさしい眼ざしで
けれど帽子は もう風にさらはれ
僕はひとりで 草のなかに立つてゐる
あつい日ざしが 僕の肩を灼くだらう
あきらめ切つた 夏の日の午後に

#日記広場:小説/詩




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