寂れたシャッター街
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/07/12 22:56:07
さびしい色をした 鉄の扉がならんでゐる
昼のひかりも ここではとつくに色あせ
だれも訪れない うす暗い横丁のなかに
ただひとつ 冷たい風だけが 吹きぬけてゆく
昼のひかりも ここではとつくに色あせ
だれも訪れない うす暗い横丁のなかに
ただひとつ 冷たい風だけが 吹きぬけてゆく
見あげれば 錆びついた看板のすきまから
ちひさな みかずきが そつと覗いてゐる
それは 遠いむかしに 忘れてきた
だれかの 優しいまなざしのやうに
ちひさな みかずきが そつと覗いてゐる
それは 遠いむかしに 忘れてきた
だれかの 優しいまなざしのやうに
むなしさだけが この細い路地をみたして
もう 明かりのともらない窓が つづいてゐても
ぼくは この冷えびえとした夜を 愛さう
もう 明かりのともらない窓が つづいてゐても
ぼくは この冷えびえとした夜を 愛さう
月影は 閉ざされた街の かなしみに寄り添ひ
かすかな銀色の光で 舗道を照らしてゐる
それは ぼくの胸のなかの ひそかな祈り
かすかな銀色の光で 舗道を照らしてゐる
それは ぼくの胸のなかの ひそかな祈り
寂れたシャッター街。そこへ静かに降り注ぐ「みかずき(三日月)」の光。

























