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黒い糸

第四章

思っている事を一つずつ文字にして行くと頭の中の整理が出来る様で私は日記を書く事が好きだった。先ずは今日出来た事。そしてそれに対して自分はどう思ったかを書いていく。一つ一つ今日の自分の行動を思い出しながら書いていくのが私には好きな時間だった。いつも最後に書く言葉は決まっている。…悠、愛してるよ…そして日記を閉じ、ベッドへと転がった。悠とは必要以上に連絡は取らない様にしていた。一度、「何してる?」とラインを送った事があったが、「仕事してるよ」とだけ返って来て、それ以上の言葉は無かったからだ。仕事をしている時はきっと忙しいだろうし、私に感けてなんかいられないだろう。そう思った私はそれ以上連絡をしない様にしていた。何だか彼が恋しくなった私は朝に少しだけ吸ったブラックデビルを吸う事にした。真っ黒なパッケージの味を好んでいた彼。私も同じ真っ黒なパッケージのブラックデビルを買い、今や少しずつではあるが一日に一本は吸える様になった。ベッドにうつ伏せになり、肘を立て煙草に火を点けた。私の身体には煙草は合っていた様で、咽る事もなく今ではすっかり肺の奥まで煙を取り込む事が出来る様になっていた。ゆっくりと煙を肺の奥まで入れ、それ以上にゆっくりと煙を吐き出していた。その動作をゆっくりと行いつつ目を瞑ると悠の残像が見えるようだった。…悠、何してるかな…そんな考えが巡る。ゆっくりと吸うブラックデビルの煙を見ながら、…セフレ…なんかじゃないよね…と不安が過った。…大丈夫、大丈夫…そう自分に言い聞かせながら、煙草に集中した。夜の時間帯に嫌な考えが持って行かれそうだ。私は彼と同じ煙草を吸う事で彼の事を感じる事が出来ていたが、…「愛羅、愛してるよ」その耳に残る彼の少し高めの声を思い出していた。私は煙草を吸いながら仰向けになり、…「悠…会いたいよ…」そんな事を呟いていた。何故だか悲しくなってしまった私は、煙草を消し自分の身体を抱き締める様にしていた。…悠の腕や手とは全く違う…私は縮こまる様に自分を抱き締めた。そのままの体制で私は眠っていた様だった。翌日目が覚めたのは早朝の5時前だった。

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