Nicotto Town ニコッとタウン

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名前

夜更け、机の上の小さな灯りだけが部屋を照らしていた。
ページの片隅に「名もない花になりたかった」とあって、私は指を止めた。
名もない花なんて、本当にあるのだろうか。
ずっと昔から、誰かが草の背丈を測り、葉の形を数え、花弁の色を確かめ、ひとつずつ名前を与えてきたはずだ。
名前のない花があるとしたら、それはまだ誰の目にも触れていない、新しい呼吸をしている花だけ。見つかった瞬間に名がつき、「名もない花」ではなくなってしまう。

その考えが胸の奥で静かにほどけて、私は鉢植えの土をそっと撫でた。 
「ここなら、誰にも見つからないかしら」
そうつぶやくと、ミケが足もとに絡みつき、まるで賛成するように喉を鳴らした。

眠れない夜は、私とあなたとミケで月を眺めよう。 
あなたの静けさを守るために。嵐も吹雪も届かない、小さな部屋の窓辺で、まだ見ぬ花の息づかいを待つ

朝になれば、世界はまた誰かに名前をつけたがるだろう

でも、この夜だけは何者にもならなくていい。ただ月明かりに照らされて、そこに咲いているだけでいい

私だけは、あなたの名前を知らないままでいるから

#日記広場:小説/詩

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2026/06/28 08:42
兄も詩を書くのが好きなんです。兄弟あまり話さないため疎遠ですが、詩に気持ちを込めるって凄いことだと尊敬しています。私は文才ないので羨ましい限りです。



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