鎮魂歌(レクイエム)
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/06/27 15:00:38
激しい雨が ステンドグラスを叩き割らんばかりに
春の嵐は 昏(くら)い聖堂のなかにまで吹き荒れる
僕は ただひとりの寂しい個影(かげ)となり
白い花びらに埋もれた きみの棺のまえに立ちつくす
春の嵐は 昏(くら)い聖堂のなかにまで吹き荒れる
僕は ただひとりの寂しい個影(かげ)となり
白い花びらに埋もれた きみの棺のまえに立ちつくす
冷たくなつたきみの胸元には 一通の未開封の手紙
僕が放つた想いは もう二度と読まれることはない
やがて厳かに 地の底から響きだすオルガンの音
それは きみの魂を彼方へと送る 哀しい鎮魂歌
僕が放つた想いは もう二度と読まれることはない
やがて厳かに 地の底から響きだすオルガンの音
それは きみの魂を彼方へと送る 哀しい鎮魂歌
鍵盤が震へるたび 僕たちの幸福(しあはせ)の記憶が
あかるい光の破片(かけら)となつて 砕け散つてゆく
手紙に遺した「愛してゐる」の五文字(いつもじ)が
あかるい光の破片(かけら)となつて 砕け散つてゆく
手紙に遺した「愛してゐる」の五文字(いつもじ)が
嵐の轟音のなかに 引き裂かれ かき消されるとき
こらへきれぬ熱い涙が 堰(せき)を切つてあふれ出づ
僕はただ 開かない手紙を抱きしめ 泣き崩れるばかり
こらへきれぬ熱い涙が 堰(せき)を切つてあふれ出づ
僕はただ 開かない手紙を抱きしめ 泣き崩れるばかり




























