嵐のなかの聖歌
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/06/27 14:58:44
激しい雨が 古い教会(チャペル)の窓を叩いてゐる
暗い梢は 狂つたやうに身をよじり
咲いたばかりの白い花びらを むしり取り
泥にまみれた石畳のうえに 散らしつづけてゐる
暗い梢は 狂つたやうに身をよじり
咲いたばかりの白い花びらを むしり取り
泥にまみれた石畳のうえに 散らしつづけてゐる
僕は ただひとりの寂しい個影(かげ)となり
冷たい堂のすみで 祈るやうに立ちつくす
どこからか あえかなオルガンの音がきこえる
それは かつて僕たちが愛した かなしい調べ
冷たい堂のすみで 祈るやうに立ちつくす
どこからか あえかなオルガンの音がきこえる
それは かつて僕たちが愛した かなしい調べ
けれど鍵盤を叩く きみの白い指は
いまはもう 冷たい棺(ひつぎ)の底に眠つてゐる
嵐のなかで 幻影(まぼろし)のやうに響く音色は
いまはもう 冷たい棺(ひつぎ)の底に眠つてゐる
嵐のなかで 幻影(まぼろし)のやうに響く音色は
永遠に届かない きみの最後の叫びだらうか
堰(せき)を切つたやうに 熱い涙があふれ落つれば
僕はただ 暗い鍵盤のまえに 崩れ折れるばかり
堰(せき)を切つたやうに 熱い涙があふれ落つれば
僕はただ 暗い鍵盤のまえに 崩れ折れるばかり


























