雑音(ノイズ)とブルース
- カテゴリ:日記
- 2026/06/04 09:52:00
外は暴風雨、世界が引き裂かれる夜
停電の闇の中、机の隅でそいつが這いつくばっている
埃を被った真空管、傷だらけのプラスチック
指先でダイヤルを回せば、骨董品がかすかに震えた
停電の闇の中、机の隅でそいつが這いつくばっている
埃を被った真空管、傷だらけのプラスチック
指先でダイヤルを回せば、骨董品がかすかに震えた
ザー、ザー、と砂嵐の音が部屋に満ちる
台風の咆哮に負けじと、奴は必死に声を絞り出す
途切れ途切れに流れてきたのは
いつかどこかで聴いた、安っぽいブルースの旋律
台風の咆哮に負けじと、奴は必死に声を絞り出す
途切れ途切れに流れてきたのは
いつかどこかで聴いた、安っぽいブルースの旋律
バーボンを満たしたグラスに、窓伝いの稲光が跳ねる
タバコの煙が、ラジオの放つ微かな熱に巻かれて消えた
ニュースキャスターが、避難を呼びかける悲鳴を上げている
だが俺は動かない、この擦り切れた音が妙に心地いい
タバコの煙が、ラジオの放つ微かな熱に巻かれて消えた
ニュースキャスターが、避難を呼びかける悲鳴を上げている
だが俺は動かない、この擦り切れた音が妙に心地いい
吹き飛ばせ、この世界の欺瞞(ぎまん)を
根こそぎ持っていけ、過去の未練もろとも
嵐の風圧でガラスが軋むたび
ラジオのノイズは、激しさを増していく
根こそぎ持っていけ、過去の未練もろとも
嵐の風圧でガラスが軋むたび
ラジオのノイズは、激しさを増していく
やがて、電波は完全に途絶えた
静寂と闇が、すべてを等しく支配する
俺はただ、冷めかけた煙草の灰を落とし
次の夜明けを、静かに待つ
静寂と闇が、すべてを等しく支配する
俺はただ、冷めかけた煙草の灰を落とし
次の夜明けを、静かに待つ


























