Nicotto Town ニコッとタウン

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濁流のブルース


窓を叩きつける硝子(ガラス)の雨
街灯がひとつ、水たまりに溶ける
バーボンを煽り、煙草(タバコ)に火をつけば
くたびれたブルースが、俺の背中を撫でた
奴は静かに、しかし確実にやってきた
風は軋(きし)み、夜の輪郭を削り取っていく
外では台風が、すべてを吹き飛ばそうと牙を剥く
だが、俺の心は微塵(みじん)も揺れちゃいない
ドアの鍵を確かめ、コートの襟(えり)を立てる
吹き荒れる暴風雨(あらし)の中へ踏み出す準備はいい
失うものなど、最初から何ひとつありゃしなかった
あるのは、この胸に響く泥まみれの旋律だけ
吹き飛ばせ、この痛みを
根こそぎ持っていけ、やり場のない苛立ち(いらだち)も
台風の目の中は、嘘のように静まり返っている
俺はそこで、最後のブルースを口ずさむ
嵐が去ったあとの、冷たいアスファルトを踏みしめ
夜明けの光に、小さく煙を吐き出す
言い訳は、すべて風がさらっていった
俺はただ、次の街へと歩き出すだけさ

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