孤狼のポートレート3
- カテゴリ:日記
- 2026/05/10 01:23:06
薄汚れた雑居ビルの陰で、胃の奥から酸っぱいものがせり上がる。
路地にぶちまけたのは、さっきまで耳に流し込まれていた「救い」という名の汚物だ。
路地にぶちまけたのは、さっきまで耳に流し込まれていた「救い」という名の汚物だ。
奴らは白い服を着て、死んだ魚のような目で、
「愛」や「慈悲」という手垢のついた言葉を呪文のように唱える。
個を殺し、意思を捨て、巨大な一つの意志(マス)に飲み込まれる快楽。
俺にはそれが、腐った肉に群がる銀バエの羽音にしか聞こえない。
「愛」や「慈悲」という手垢のついた言葉を呪文のように唱える。
個を殺し、意思を捨て、巨大な一つの意志(マス)に飲み込まれる快楽。
俺にはそれが、腐った肉に群がる銀バエの羽音にしか聞こえない。
差し伸べられた手には、見えない鎖が握られている。
跪(ひざまず)いて祈れば、確かに楽にはなれるだろう。
だが、その代償は「自分」という名の魂の切り売りだ。
跪(ひざまず)いて祈れば、確かに楽にはなれるだろう。
だが、その代償は「自分」という名の魂の切り売りだ。
膝の擦り傷から血が滲む。
この痛み、この熱、この不器用な渇き。
それこそが、俺が生きている唯一の証拠だ。
神だの仏だのの安っぽい御加護など、
この泥濘のなかでは、何の役にも立たない。
この痛み、この熱、この不器用な渇き。
それこそが、俺が生きている唯一の証拠だ。
神だの仏だのの安っぽい御加護など、
この泥濘のなかでは、何の役にも立たない。
口を拭い、ふらつく足で立ち上がる。
背後で響く賛美歌を、冷たい雨が打ち消していく。
背後で響く賛美歌を、冷たい雨が打ち消していく。
たとえ地獄の底まで独りだとしても、
俺は奴らの天国(オリ)の中では、決して眠らない。
俺は奴らの天国(オリ)の中では、決して眠らない。
路地の排水溝に流れ込む雨水は、濁り、淀み、すべてを平等に汚していく。
俺の頬を叩く雫も、奴らの聖水を気取ったまやかしも、空から降ればただの冷たい液体だ。
俺の頬を叩く雫も、奴らの聖水を気取ったまやかしも、空から降ればただの冷たい液体だ。
見上げれば、ビルの隙間に切り取られた灰色の空。
神の視線も、救済の光もそこにはない。
あるのは、ただ無慈悲に降り注ぐ物理的な重さと、容赦なく体温を奪っていく現実だけだ。
神の視線も、救済の光もそこにはない。
あるのは、ただ無慈悲に降り注ぐ物理的な重さと、容赦なく体温を奪っていく現実だけだ。
震える指先で、濡れたコンクリートの壁をなぞる。
硬く、冷たく、決して揺るがない。
俺が信じられるのは、この指先に伝わる不快な感触と、
肺の奥で燻る、消えかけの火種のような「拒絶」の意志だけだ。
硬く、冷たく、決して揺るがない。
俺が信じられるのは、この指先に伝わる不快な感触と、
肺の奥で燻る、消えかけの火種のような「拒絶」の意志だけだ。
「真実」なんてものは、教壇の上や聖典の行間には転がっていない。
それは、誰とも分かち合えないこの渇きの中に、
たった独りで耐え抜いた夜の果てに、
ふとした瞬間に足元に落ちている、鋭いガラスの破片のようなものだ。
それは、誰とも分かち合えないこの渇きの中に、
たった独りで耐え抜いた夜の果てに、
ふとした瞬間に足元に落ちている、鋭いガラスの破片のようなものだ。
血を流さなければ見えない。
孤独を突き通さなければ触れられない。
孤独を突き通さなければ触れられない。
雨は止まない。
だが、その冷たさが俺の輪郭をいっそう鮮明にする。
俺は、俺であることを選んだ。
その代償がこの寒さなら、喜んで引き受けよう。
だが、その冷たさが俺の輪郭をいっそう鮮明にする。
俺は、俺であることを選んだ。
その代償がこの寒さなら、喜んで引き受けよう。
























