灰色の行進
- カテゴリ:日記
- 2026/05/10 01:15:47
頭上のスクリーンが「幸福」を垂れ流し
雑踏は、巨大な一つの生き物として脈動する
右へ倣えの信号に
数千の靴底が、乾いた音で同調する
雑踏は、巨大な一つの生き物として脈動する
右へ倣えの信号に
数千の靴底が、乾いた音で同調する
奴らは「和」という名の麻酔を打ち
自分の顔を、誰かの背中に預けて歩く
同じ呼吸、同じ絶望
均質化された細胞のひとつとして
自分の顔を、誰かの背中に預けて歩く
同じ呼吸、同じ絶望
均質化された細胞のひとつとして
俺は、その流れを逆行する
肩がぶつかれば、無機質な拒絶が返る
それでいい
混ざり合って溶けるよりは
弾き飛ばされる痛みのほうが、まだ生を感じる
肩がぶつかれば、無機質な拒絶が返る
それでいい
混ざり合って溶けるよりは
弾き飛ばされる痛みのほうが、まだ生を感じる
生地の馴染まない
新品のコートの襟を立てる
このざらついた感触が
俺と、この世界を隔てる唯一の防波壁だ
新品のコートの襟を立てる
このざらついた感触が
俺と、この世界を隔てる唯一の防波壁だ
「理解し合おう」と、薄汚れた看板が笑う
俺は唾を吐き、視線をアスファルトに落とした
分かち合えるものなど、最初からない
あるのは、奪い合うための椅子と
誰のものでもない、この孤独な視界だけだ
俺は唾を吐き、視線をアスファルトに落とした
分かち合えるものなど、最初からない
あるのは、奪い合うための椅子と
誰のものでもない、この孤独な視界だけだ
スクランブル交差点の真ん中で
俺は足を止め、深く煙を吐き出す
数万の瞳に映っても
俺を見ている奴は、ここには一人もいない
俺は足を止め、深く煙を吐き出す
数万の瞳に映っても
俺を見ている奴は、ここには一人もいない
それでいい
この街の静寂は、喧騒の中にしかないのだから
この街の静寂は、喧騒の中にしかないのだから
























