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終章カルト3


亡者の叫びも、欲望の残骸も、すべては背後の闇に置いてきた。
男はコートの襟を立て、紫煙と線香の臭いが混じり合うその場所から、一歩踏み出す。
頭上には、冷徹なほどに白い月。
それは真如の光か、あるいはただの冷たい石の塊か。
どちらにせよ、この街の汚れを隠すほど優しくはない。
男の影が、濡れたアスファルトの上に長く、孤独に伸びる。
救えぬ者を裁き、自らもまた迷いの中に身を置く。

あるのは、己が選んだ無明の闇をただ黙々と歩む、乾いた意志だけだ。
「…私自身六道彷徨う事になる_」
小さく吐き出した煙草の煙が、月光に透けて消えていく。
振り返る必要はない。
_月の裏側へと続く闇の向こうへ_

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