Nicotto Town ニコッとタウン

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詐欺師の対価

降り始めた雨が、街の汚れを薄く引き延ばしている。
水晶占い男が並べる「運命」という名のガラクタを眺めていた。竜の背中が見えます、金運あり__気をつけないと?説法紛いの話だ、 笑止千万
「いい台詞だ。三流のミステリーなら、客は泣いて喜んだろう」
私は低く、落ち着いた声でその饒舌を断ち切った
「だが、あいにく私は自分の『不運』とは、腐れ縁の古い友人と同じくらい付き合いが長くてね。
あんたが星の配置を語る前から、私の夜はとっくに袋小路に追い込まれている」
男が不快そうに口を噤む。私は椅子の背にもたれ、静かに視線を合わせた。
深淵を覗くような、静かな視線だ。
「ここへ来たのは、救いが欲しかったからじゃない。
あんたの猿芝居が、この泥濘のような一日に、どれほどの彩りを添えてくれるか試したかった。
……正直に言えば、少々期待外れではあったがね」
私はテーブルに、折り目のついた数枚の紙幣を置く。
「代金だ。残りは、その薄汚れた水晶を磨く布でも買うといい。それから老人や女性から詐欺まがい料金は取りすぎだ
夜はまだ長い。お互い、次はもう少しマシな役を演じられるといいな」_

#日記広場:ココロとカラダ




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