ジミー・ジュフリーをオススメします。
- カテゴリ:音楽
- 2026/04/22 11:19:19
1921年生まれ、主にクラリネット奏者として活躍したジャズマンです。
クラリネットと聞くとベニーグッドマンや北村英治など、
スウィング期の楽曲を中心とした演奏家と思うかもしれませんが、さにあらず。
私が彼を知ったのは相倉久人が『モダンジャズ鑑賞』のなかで、
『ウエスタン組曲』というアルバムの先進性を認め称賛していたから。
実はジュフリー、21世紀でも全く古びない、先進的ミュージシャンです。
初期の代表作は1956年の『ジミージュフリー3』、58年の『ウエスタン組曲』、
1961年の『Fusion』の3作だと思います。全てトリオ編成でドラムレス。
ドラムレスのジャズというのは新鮮ではないでしょうか?
私が最も影響を受けたジャズギターアルバムはジム・ホールの1stですが、
これもドラムレス。ここからが肝心なところです。メモしてくださいね。
56年の『ジミージュフリー3』『ウエスタン組曲』もジムホール参加盤です。
ホールはエラ・フィッジェラルド、ソニー・ロリンズ、ビル・エヴァンス等々、
巨人たちと数々の名盤を残し、いっぽう晩年まで音楽的進歩に貪欲でした。
ジミー・ジュフリーと演奏したことの影響も大きかったのではないでしょうか。
さて、ジュフリー61年の『Fusion』は、ピアノがポール・ブレイ。
ダブルベースがスティーブ・スワロー。恐ろしいメンバーではありませんか?
どのアルバムも動画サイトで聴けるはず。一聴して驚愕してください。
この時代、ジャズは新しい方向へ向かおうという動きが盛んでして、
クラシックに接近したサードストリーム、モードという手法、
オーネットコールマンやセシルテイラーのフリージャズ等が出てきました。
ジュフリーはドラムレスのトリオやカルテットで一聴すると室内楽的ですが、
実は即興性をものすごく重視した、知的興奮度の高いジャズを演ってます。
61年の『Fusion』、タイトルだけでも20年近く早すぎるアルバム。
フリージャズの一派に、狂騒や祝祭性を取り除いたタイプの人々がいます。
欧州即興演奏みたいなフリー/アヴァンギャルドにも向かわず、
美的構築と即興性の維持・調和をあくまで知的に、厳格に行うタイプ。
スティーブ・スワローやポール・ブレイの後の活動に直結するんです。
欧州フリー界にもジュフリーの影響は大きく、知られざる偉人の代表。
少なくともエリック・ドルフィーやレニー・トリスターノ同様に重要な人。
晩年まで精力的に活動を続けますが、ちょっと意外なメンツとして、
チック・コリアの第二期リターン・トゥ・フォーエヴァーのギターだった、
ビル・コナーズが参加してるアルバムもあります。
RTFにいたせいでディメオラ、リトナーやカールトン等と同列視されますが、
コナーズはかなり(使いたくないが)硬派かつ前衛寄りのギター弾きです。
もろギターフュージョンというアルバムも作ってますけど、それはオシゴト。
ECMからアルバム出してるし、ポール・ブレイやヤン・ガルバレクとも共演。
メセニー、アバークロンビー、スコフィールド、フリゼールと同様に、
1970年代以降の新しいジャズを志向したギタリストなのです。
閑話休題。プログレッシブなジャズを聴きたいならジュフリーはお勧め。
ただ困ったことに『Fusion』が廃盤だったはず。CD欲しいのに……。
ブレイの『Quiet Song』はジュフリーとコナーズ入りトリオで、これも佳い。
【慌てて追記】ジュフリーが フュージョンやると どうなるか。
1983年にジュフリーは『ドラゴンフライ』というアルバムを出してます。
全くノーマークだったのですが、先ほど動画サイトで聴き……即、発注!
凡百のフュージョンとは比較にならない大名盤ではありませんか。
関心がなかった理由の一つはメンツ。4人編成なんですが、
エレクトリックベースとドラムスが入っているので敬遠してました。
キーボードはギルエバンスのバンドにいたピート・レヴィンです。
ハッキリ言います。メチャクチャかっこいいジャズロック!
イアン・カーのいたニュークリアス、マハビシュヌやウェザーにも似てるし、
ジュフリーはクラリネットにソプラノ、テナー、フルートまで吹いてます。
こんな名盤を知らなかった自分を殴りたいくらい。WRやRTFよりスキ!
いわゆるクロスオーバーサウンドと、各人の即興性の塩梅が絶妙で、曲も佳い。
BGMにもなるし真剣に聴くこともできる。ビルエヴァンス並みのクオリティ。
ピート・レヴィンはディシプリン期クリムゾンやプログレ界で大活躍してる、
トニー・レヴィンの兄です。使ってるキーボードのセンスも素晴らしい。
ローデス、オーバーハイム、モーグですよ。もはやプログレじゃないか。
ニュークリアス大好きな私にはジャストミート、英ジャズロック気分。
ちなみにベースのBob Nieskeはイギリス人で著名人との活動歴も豊富、
ドラムのRandy Kayeは寡作ですがやはり腕利き。ジュフリー。畏るべし。

























