Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



独白のブルース


土砂降りの夜、ラジオからエタの歌声が漏れ出す。
「Trust in me...」
その言葉は、使い古されたトレンチコートのように
重く、湿り気を帯びて俺の肩にのしかかる。
この街で「信じる」なんて口にするのは、
裏通りの泥水にダイヤを放り込むようなものだ。
誰もが仮面を被り、雨の音に本音を紛れ込ませる。
だが、あんたの歌声はどうだ。
嘘も、虚栄も、塗り固めた過去さえも、
容赦なく剥ぎ取っていく。
「私を信じて」
差し出された手を取るか、背を向けて歩き出すか。
答えはいつも、琥珀色のグラスの底に沈んでいる。
溶けかけの氷が、時計の針よりも残酷に、
孤独な夜の終わりを告げていた。
信じることは、最大の賭けだ。
エタ、あんたの歌う「信頼」に、
俺は今夜、なけなしの自分を賭けてみる_

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