Nicotto Town ニコッとタウン

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花嵐


舞い散る花弁は、二度と枝へは戻りません。
吹き抜ける風の数だけ、誰かの執着が宙に迷うのです。
「美しいですね」
吐き出した煙に、淡い色が混ざり合います。
ですが、この街でその言葉に価値はありません。
ただ散るだけの優雅さより、地に落ち、泥にまみれる覚悟を。
風に抗うことなく、されど心までは折らせない。
それが、私が選んだ終わりの作法です。
嵐が過ぎ去った後、路面に残るのは無残な亡骸でしょうか。
それとも、次へと繋がる静寂でしょうか。
答えを求める必要はありません。
ただ、コートの襟を立て、花吹雪の向こう側へ歩みを進めるだけです。
散るべき時に、潔く。
それが、この場所で生き抜くための、たった一つの約束事ですから。

#日記広場:人生




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