Nicotto Town ニコッとタウン

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重力という名の洗礼

光り輝く玉座を降りて、最初に見つけたのは
泥濘(ぬかるみ)に反射する、ひどく醜い自分の顔だった。
完璧であることに飽きた精神は、
今、重力という名の洗礼を浴びて歓喜している。
善悪の境界線は、
夜霧に溶けて、どこにも見当たらない。
かつて「真理」と呼んでいたものは、
ここではただの、使い古された言い訳に過ぎなかった。
グラスに注がれた透明な液体を揺らす。
「魂はどこへ行くのか」と問う哲学者に、
俺は答えず、ただ氷の溶ける音を聴く。
答えがある場所に、自由など存在しないからだ。
垂直に落ちる雨が、背中の空白を叩く。
空を飛べないこの身体は、
かつてのどの瞬間よりも、確かに「生きている」と叫んでいる。
神は死んだのではない。
俺たちが、あまりに重く、美しすぎただけだ。
この孤独な影を連れて、
俺はどこまでも続く、名もなき夜の底を歩いていく_

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