逃げ場の終焉
- カテゴリ:人生
- 2026/03/21 17:20:07
湿ったレンガの壁が、行く手を塞いでいる。
振り返れば、追いかけてきたはずの喧騒さえ
夜の帳(とばり)に飲み込まれていた。
振り返れば、追いかけてきたはずの喧騒さえ
夜の帳(とばり)に飲み込まれていた。
ここは、地図から見放された吹き溜まり。
春のぬるい風も、この角を曲がれば
湿り気を帯びた古い鉄の匂いに変わる。
春のぬるい風も、この角を曲がれば
湿り気を帯びた古い鉄の匂いに変わる。
行き止まりは、嘘をつけない場所だ。
言い訳も、退路も、未来への期待も、
この分厚いコンクリートの壁がすべて撥ね返す。
言い訳も、退路も、未来への期待も、
この分厚いコンクリートの壁がすべて撥ね返す。
俺はポケットを探り、湿ったマッチを擦った。
小さな火が、行き場のない孤独をぼんやりと照らす。
灰色の影が壁に長く伸び、
ようやく一人の時間(とき)を手に入れたことを知る。
小さな火が、行き場のない孤独をぼんやりと照らす。
灰色の影が壁に長く伸び、
ようやく一人の時間(とき)を手に入れたことを知る。
「ここまでだ」
誰に言うでもなく、紫煙を吐き出した。
絶望ではない。
ただ、これ以上どこへも行かなくていいという
残酷なまでの安らぎが、そこにはあった。
絶望ではない。
ただ、これ以上どこへも行かなくていいという
残酷なまでの安らぎが、そこにはあった。
背中の壁は、ひどく冷たい。
だが、確かな手応えだけが、俺がここにいる証明だった。
だが、確かな手応えだけが、俺がここにいる証明だった。


























