三月の晩餐
- カテゴリ:日記
- 2026/03/11 21:24:07
夜の帳が下りる。
この街の喧騒が、遠い潮騒のように遠のいていく_
並べられたのは、冷えたダイナーのステーキと、
ラベルの剥がれた安物のウィスキー。
贅沢を言う時間は、疾うの昔に使い果たした。
ラベルの剥がれた安物のウィスキー。
贅沢を言う時間は、疾うの昔に使い果たした。
向かいの席には、影だけが座っている。
裏切った友か、あるいは、かつて愛した女の幻か。
誰も答えず、ただ換気扇が乾いた音で回る。
裏切った友か、あるいは、かつて愛した女の幻か。
誰も答えず、ただ換気扇が乾いた音で回る。
最後の一口を飲み干し、
俺はテーブルにチップを置いた。
命の値段にしちゃ、少しばかり多すぎたかもしれない。
俺はテーブルにチップを置いた。
命の値段にしちゃ、少しばかり多すぎたかもしれない。
重いドアを押し開ければ、
そこには冷たい深淵と、輝く月が待っている_
























向かいの席に残された影の描写がとても印象的でした。
人を深く想った時間というのは、夜の景色の中でふとよみがえることがありますよね。
そんなことを少し思いながら読ませていただきました。
最後に描かれた月の光も、とても綺麗でした。
月というものは、いろいろな記憶を静かに照らしますね。
わたしにも忘れることができない月があります。