都会の夜の雨
- カテゴリ:日記
- 2026/03/10 14:08:01
酒場の窓は、青い夜の顎(あぎと)
泥にまみれた雨が、しんしんと降つてゐる。
僕のトレンチコートは、昨日よりまた少し
孤独な匂いを濃くしたやうだ。
泥にまみれた雨が、しんしんと降つてゐる。
僕のトレンチコートは、昨日よりまた少し
孤独な匂いを濃くしたやうだ。
グラスの氷が奏でる、安っぽいチャイム、
誰を待つのでもない、ただ座ってゐる。
ネオンのサインは、壊れたフィルムのやうに
君の思い出を点滅させては、消す。
誰を待つのでもない、ただ座ってゐる。
ネオンのサインは、壊れたフィルムのやうに
君の思い出を点滅させては、消す。
愛だの、優しさだの、そんなものは
さつさと裏路地の猫にでも食わせてしまえ。
僕の魂は、乾いたマッチ箱、
いつ火をつけられてもいいやうに。
さつさと裏路地の猫にでも食わせてしまえ。
僕の魂は、乾いたマッチ箱、
いつ火をつけられてもいいやうに。
……風が吹いた。
埃っぽい、都会の風が、
僕の黒帽子を、少しだけ傾げた。
埃っぽい、都会の風が、
僕の黒帽子を、少しだけ傾げた。
汚れつちまつた、都会の片隅で
それでも、まだ少し、冷えた煙草の煙に
僕は呼吸を続けてゐる。
それでも、まだ少し、冷えた煙草の煙に
僕は呼吸を続けてゐる。
さあ、飲み干して、また歩き出さうか。
この、底なしの、夜の街を_
この、底なしの、夜の街を_
























