錆びた20年
- カテゴリ:人生
- 2026/03/10 13:50:52
20年、氷はとっくに溶けきり
グラスの底には澱だけが残った
俺を忘れるには十分な時間だろう
だが、記憶というやつは
湿気ったマッチのように
肝心なときに火がつかないものだ
グラスの底には澱だけが残った
俺を忘れるには十分な時間だろう
だが、記憶というやつは
湿気ったマッチのように
肝心なときに火がつかないものだ
あの日、俺が捨てたのは
古ぼけたコートと、お前の名前
そして自分という名のガラクタだった
どこへ行ったか、だと?
風に訊けと言いたいところだが
風もまた、俺を避けて通り過ぎる
古ぼけたコートと、お前の名前
そして自分という名のガラクタだった
どこへ行ったか、だと?
風に訊けと言いたいところだが
風もまた、俺を避けて通り過ぎる
煙草の煙が、かつての愛のように
虚空に輪を描いては消えていく
生きているのか、死んでいるのか
そんな野暮な問いに
答えるつもりはない
虚空に輪を描いては消えていく
生きているのか、死んでいるのか
そんな野暮な問いに
答えるつもりはない
ただ、この封筒の消印だけが
俺がどこかの街で
まだ不器用に呼吸をしている
唯一の証拠だ
俺がどこかの街で
まだ不器用に呼吸をしている
唯一の証拠だ
追伸
バーボンを一杯、注文してくれ
俺のツケにしておいていい
もっとも、その店がまだあればの話だが
バーボンを一杯、注文してくれ
俺のツケにしておいていい
もっとも、その店がまだあればの話だが
























