嘘の陰影
- カテゴリ:自作小説
- 2026/02/12 05:47:46
第十三章
…「そんじゃ寝室行こうぜ」彼は私を誘う。彼は寝室へと向かう迄手を繋いでいてくれた。それが私を安心させていた部分でもあった。…「佑真…緊張して来た…」…「大丈夫だ、一緒に寝るだけだから、安心しろよ…まぁ抱き締めるけどな…ははは」彼が笑ってくれたお陰でほんの少しの緊張は解れた。ダブルサイズはあるであろうベッドに腰掛け、彼は私に優しくキスをし抱き締めた。…「んじゃ、寝るか」…「うん」…「どうやって寝れば良いの?」…「向き合って寝ようぜ」…「分かった」彼とベッドへと潜り込みながら向かい合うようにした。…「佑真と寝るって凄く緊張するね」そう私が言うと、…「それは俺も同じだからな?はは」…「そっか、そうだよね…ふふふ」他愛もない会話を続けながら…「何か、初恋が今になって実るって嬉しいもんなんだね」と私が言うと…「そうだな…俺も嬉しいな」向き合った儘、彼は私の身体を摩っていた。まだほんのりと寒さを纏っていた私の身体は彼のお陰で段々と温まりつつあった。段々と眠気に襲われて来た頃、彼は…「そろそろ寝るか」そう言っていた。…「うん…眠くなって来た」私はそう答えると彼はそっとキスをした。向き合いながら抱き締めてくれて、…「それじゃあ、おやすみ」とすっと眠りへと落ちて行った彼だ。…引っ越し作業で疲れたのだろう…私は彼の顔をそっと触り、ゆっくりとキスをし私は彼の寝息に溶け込む様に眠りへと落ちて行った。
翌日の朝時刻は10時を廻っていた。彼はまだ眠っている様子だった。私をずっと抱き締めていてくれていた様だった。…「佑真?…ねぇ佑真ってば」と声を掛けたが昨日の疲れが残っているのか起きる気配はなかった。…一旦自分の部屋に戻って洗顔と歯磨き終わらせてこよ…と私は思い、腰に回されていた彼の手を解き、ベッドから起き上がった。リビングへと出て私は一先ず煙草を吸わせて貰う事にした。換気扇を回し火を点けた。深く深く肺の奥へと煙を入れ、ゆっくりと吐き出す。…美味しい…そんな風に思えるのは何年振りだろうか…。靄の様な物が見え始めてからは煙草が美味しいと思った事が無い様に思う。…佑真のお陰様だな…そんな事を思いながら煙草を吸っていた。ゆっくりと煙草を堪能し、私は自分の部屋へと戻る事にした。























