嘘の陰影
- カテゴリ:自作小説
- 2026/01/25 06:10:12
第十二章
お互いに煙草を持って、ベランダへと出た私達はそれぞれのタイミングで煙草へと火を点ける。ベランダには私が履いてきたスリッポンを持って来て一緒に外へと出た。…「ね?綺麗な三日月でしょ?」…「おー…マジ綺麗だな…」暫く二人の間に沈黙の時間が流れる。煙草を深く深く吸い、ゆっくりと吐き出しながら深呼吸をする。…なんとも心地の良い時間だ…二人して見上げる月はとても細く、美しく優しい光を放っていた。…「ねぇ、佑真?私が幸せにしてあげる」…「何だよ…急に…ははは…照れるって」…「人の気持ちってさ、言葉にしないと伝わらないじゃん?だからちゃんと言っておこうと思って」…「確かにそうだよな…んじゃ、俺も言っとくわ…優美、俺も優美の事幸せにする…約束するよ」二人で月を見ながら交わした言葉達が煙草の煙と交じり合う。…「ありがとう」…「こちらこそ」そんな会話を続けながら、二人の時間が過ぎて行く。…心地良いな…私はそんな事を思いながら煙草を吸い続けていた。…「優美とはずっと一緒にいたから、なんつーか…居心地が良いんだよな」彼は煙草の煙を吐き出しながら言っていた。…「私も佑真といると心地良い…」
…「なぁ、俺らってさもしかしたらずっと似たような事考えてたんじゃね?」彼はそう言った。…「そうかもだね…ふふ」…「やっぱそうだよな」…「うん」暫く二人の時間を楽しみつつ、少しづつ冷えて来た身体になって来た頃…「そろそろ寝るか」と彼は言っていた。…「うん」私は身体を摩りながら部屋へと戻ると…「優美、身体冷えただろ、温めてやるからこっち来てみ?」私は彼の言う通り彼の傍へと近づいた。彼は優しく、大事な物を扱う様に私を抱き締め身体をゆっくりと摩ってくれた。…「佑真は冷えてないの…?」そう私が尋ねると…「俺、代謝良いからな…ははは」と楽し気に笑っていた。彼の言う通り彼の身体は温かさを纏っていた。…「佑真温かい…落ち着く…」…「だろ?」と嬉しそうに言う彼が愛おしく、美しく思えた。
暫く抱き締めて貰っていた後、…「そろそろ一緒に寝るか…」そう言われ、緊張を纏った私は…「う、うん…」と答えた。




























猫の爪のように細くなったものが光り輝いているのを見ると
際を見られる幸せにドキドキします
居心地がいいのに初めてのことはやっぱり緊張しますよね
幸せのぬくもりに包まれて二人がぐっすり眠れますように
紫月さんもぐっすり眠れますように