嘘の陰影
- カテゴリ:自作小説
- 2025/12/26 04:01:39
第五章
急遽彼の部屋へと変更になったが、特に問題は無かった。エレベーターを待っている間、…「優美、何階に住んでるんだよ?」と聞かれ、…「私は3階」…「マジー!?俺5階」と続け様に「同じマンションでも会わねーもんだなー」と不思議がっていた。…「あ、私牛乳買ってたんだった、一回私の部屋にも寄らせて」…「おーよ」と軽快に答える彼がいた。一旦3階の私の部屋へと行く事となった。私の部屋へと着いた私達は…「佑真、取り敢えず上がって、買って来たもの仕舞うから」と彼へと伝えた。「おう、んじゃお邪魔するぜ」…「うん」そう言って彼は部屋へと入って来た。…「片付ける間煙草でも吸っててよ」そう言って私は彼へと灰皿を渡した。…「部屋で吸っても良いんかよ」…「全然良いよ」そう答えながら私は買って来た食材やらを冷蔵庫へと仕舞っていく。彼は…「んじゃあ煙草吸わせて貰うな?」…「うん」片付けが終わった所で…「私も煙草吸お」と佑真の近くに座り、煙草を1本取り出し火を点けた。…「何か懐かしいな」そんな事を言ったのは彼の方だった。…「そだね、懐かしい」二人で煙草を楽しみながら何となく昔を思い出しながら私は煙で呼吸していた。…私の初恋の人でもある彼が今私の部屋にいる事になんだか可笑しくなってしまって、私は一人で笑ってしまった。…「どうしたんだよ、優美」と笑ってしまった私に対して彼は不思議そうに聞いていた。…「いや、何となくね…面白いなって思っちゃって」と私は答えた。…「何が面白かったんだよ」と何故か彼も笑っていた。…「煙草吸ったら佑真の部屋に行こ」と少し冷静さを取戻した私は彼へと伝えた。…「おう」と煙と煙が混ざり合う、そんな時間を過ごしていた。彼と一緒に吸う煙草はとても美味しく感じた。あっという間に煙草を吸い終わった私達は彼の部屋へと行くべく、彼はスーパーの袋を持ち…「よっし、そんじゃ優美に手伝って貰うかぁ」と意気込んでいる様にも見えた。…「そだね、行こか」と5階の彼の部屋へと行く事となった。彼の部屋へと向かう最中に…「佑真、何か飲み物部屋にある?」と私は尋ねた。…「おう、一応コーヒーはあるぜ」…「やったーコーヒー入れてよ」と幼馴染としての特権の様な甘え方をした私だ。…「おー旨いの入れてやるよ」と私の甘えに応えてくれる彼がいた。…「ありがたーい、とびきり美味しいのお願いね」と笑いながら伝えた。…「優美らしいな」と彼も笑ってくれていた。彼の部屋に着く頃、…「マージで段バコだらけだかんな?」と念を押され、…「そんな驚かないよ、佑真の部屋には慣れてる」と笑いながら伝えると…「何だよ、それ」と彼も笑っていた。




























