チャック全開でレジのお姉さんに話しかけるおっさん。

　その尿汚れチャック全開おじさん。スーパーに入っていき、買い物をする。買い物中、誰もそのおじさんにギョっとした視線を送るものはいなかった。私くらいだった。みんな気づいてないみたい。「あの、チャック、チャックあいてますよ？」って教えてあげようかな？って思ってたし、誰かが言ってあげるのかな？って思ったけど、誰もそのおじさんにそんな事言う人いなかった。そのチャック全開おじさん。無人レジが空いてるのに、有人レジに並ぶ。有人レジの美人なお姉さんに「〇〇ですねぇ」とか、積極的に話かけてる(笑)ああ、これアウトだ。と思いました。チャック全開で私のとこにフラッと近づいてる時はまだ「なんだか気にする事ないかもな」って思ったけど、若いレジのお姉さんにチャック全開で話かけた時、なんか「お前美人なお姉さんがレジで仕事だから丁寧に接客するしかない状況にかこつけて、気軽に話しかけてんじゃね～～～よ！」ってなんかキレそうになった。それにしても、誰がどうみても、チャック全開でションベン汚れつけとるおっさんに、丁寧接客するレジのお姉さん。接客業のプロの誇りを見た…。プロとは、仕事とは、ここまで過酷で残酷でおぞましい事にも、あいそ笑いで対応するのだ。って思った。私はスーパーの客としてその場にいたから、「え、何このヤバい人…」って近づいても距離をとることができました。でも、レジのお姉さんは仕事だから、逃げる事はできません。その時のレジのお姉さんはどれだけ怖かっただろう。あいそ笑いでその場をたった一人で対応するレジのお姉さんの後ろで、私が「お前それアウト～～～～～！」って私が割って入っておじさんを叱ればよかった。でも私も怖くて、それができませんでした。見て見ぬふりをしてしまいました。きっとレジのお姉さんはもっと怖かったはずです。チャック全開男が話しかけてきたら、男だって怖いと思います。どうみても、まともじゃないんですから。そんな状況が、レジという仕事なんだな。って思うと、本当につらいし、本当に大人だし、今頃「３０分落ち着くために休憩させてもらえますか」って言っててもおかしくない事件だとおもうのに、多分休憩もとらずに仕事に打ち込んでるんだろうな…って思うと、レジの人の仕事場の過酷さというものを、あらためて痛感しました。レジに男の子必要なんじゃ？一人くらい。と思いましたが、男の子レジがいたらきっとそのチャック全開おじさんは、男の子レジには並ばなさそう(笑)レジの店員だから、むげに対応できない。事を荒立たせない。嫌悪感をむきだしにしない。接客業だから職務上丁寧に対応する。そういう弱みを逆手にとってというか、そんなに真面目に必死に働くレジの人をみつけて、チャック全開おじさんは話しかけてるんだ…と思うと、その弱みに付け込むような計算高さが、チャック全開にはあんまり怒らなかったけど、レジの店員さんは無視しないという弱みにつけこんで話しかけているおぞましさにキンっっもぉ～って吐きそうになった。仕事だからとはいえ、そういう人ににこやかにも対応するなんて。本当に偉い。レジで働けたら、どこでも働けるって誰かが言ってたけど、本当にレジという場所は、怖いな、って普通の人が避けたり逃げたくなるような人からも、逃げられない仕事場であり、本当に辛いし大変だし、我慢しないといけない事いっぱいあるし、つらすぎるぞ。と思いました。こんなに大変なのに給料が安い。高市首相は偉い人に囲まれて働くのが楽しいから毎日働きます～って言えるけど、レジの店員さんみたいにガチで怖い人がやってきても誰も守ってくれない事がある職場で働いてる人をみてから「働いて働いてまいります」って言って欲しいですよ。毎日働けるとうのは、守られてる人ですよ。店員さんの逃げられなさのかわいそうさと、それでも接客業として笑顔で対応する誇りを見て、大人とは、生きるとは。社会人とはと勉強になる日だった。パートの人のほうが偉い仕事してるという瞬間は確かにあるといっても差し支えないと思える日でした。