Nicotto Town


なるべく気楽に気楽に~!


嘘の陰影

第四章

私は急ぎ気味で…手早く作れるもの…と考えに考えた上、カレーにする事にした。…よし、メニューは決まった、買う物をちゃちゃっと買って佑真に連絡しよう…そう意気込み店内へと入って行った。6年も住んでいれば流石に店内の配置等を覚えるものだ。私は野菜類をかごへ入れ、肉、ルウ、牛乳をパパっと買い物を済ませた。スマホから佑真の番号を探し、電話を掛けた。「おう、優美もう買いもん終わったんか?早くね?」「うん、今日のメニュー決まってたし」と少し嘘を吐いた。「そうか、んじゃ入り口付近にいろ、そこで拾う」「おっけー分かった」と電話を切った。暫くしてから、彼は車で入り口付近へと来てくれていた。私を見付け、近くまで来て…「おー優美、乗れ乗れ」と私は助手席へと乗り込んだ。…「あ、つい助手席に乗っちゃった」…「今迄そうだったからな…ははは、まぁ良いんじゃね?そんな気ぃ遣う事ねーよ、俺今フリーだし?ははは」と笑っていた。…「あはは…佑真相変わらず面白さは変わんないね」と辛い筈の彼は私迄笑顔にしてくれる。4年会っていなかったとは思えない程に直ぐに思い出せる位に彼は昔から私の傍にいてくれた存在だ。彼は、…「そういや優美の住んでるとこ車置けんの?」と問われ、…「私は車を持ってないけど、駐車場があるマンションに住んでんのよ」…「おぉ、マジか!?こんな所にもマンションあるんだな、まぁ俺もマンションだけどな、ははは」…「なんて失礼な」と私は笑いながら答えた。…「ははは…怒んなって」と彼は笑っていた。…「優美ん家知らねーからナビってくれ」…「うん」と答えた後に、…「車だったら少し遠回りになっちゃうけど多分20分位では「着くと思う」と伝えた。…「おうよ」と車を走りださせた彼だ。助手席で、…「あ、ここ左ね」とナビをしながら、マンション近くに着く頃、…「え?待って、あの白いマンションじゃねーよな?」と彼は言っていた。…「え?あれだよ?」と2人してぽかんとしている中…「俺、あのマンションに引っ越したんだが…」…「えぇ!?」と驚きを隠せない私がいた。二人して…「同じマンション!?」と声を発し、二人して大きな声で笑った。…「ははは…まさか優美の住んでるマンションと同じマンションに引っ越してたとは…はー腹痛ぇ…ははは」…「それはこっちの台詞…あはは」と笑い転げた。佑真は自分の部屋の駐車場に車を停め、…「優美、んじゃあ俺の部屋にしよーぜ?」…「何で?」…「俺の部屋段バコだらけなんだよ、ちょい手伝ってくれ、頼む」とにやけた顔で言う彼に…「しょーがないな、全く困った幼馴染だよ」と私も釣られてにこやかになってしまっていた。

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