スマホ新法、外部ストア解禁でリスクも
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- 2025/12/20 18:46:19
スマホ新法、きょう施行 Google Playの“課金”周りはどう変わる? 変更点を整理 (ITMedia NEWS)
https://news.yahoo.co.jp/articles/882448996fcf31dbec13dae1a6e864d29b05f709
スマホ新法によって外部ストアのアプリや外部決済が解禁されると、悪意のある攻撃者によって制度が悪用される懸念があります。
スマホ新法は、アップルとグーグルがアプリを独占的に販売していた市場の活性化を促す一方で、人間関係を通して悪意のあるアプリを進められたり、詐欺的サイトへの誘導といった技術的な対策だけでは防げない「人間関係を介したリスク」を増大させる懸念があります。
1. 学校・交友関係における「同調圧力と遮断の困難さ」
学校という閉鎖的なコミュニティでは、特定のアプリやサービスが「標準」となることで、個人の判断が制限されるリスクがあります。
・具体的なリスク: 「特定の外部ストア限定のゲームやアプリ」がクラスやグループ内で流行した場合、安全性が不透明であっても、仲間外れを恐れてインストールせざるを得ない心理状態(同調圧力)が生まれます。若年層にとって、コミュニティからの離脱は死活問題であり、セキュリティ上の懸念よりも「繋がり」が優先される結果、マルウェア等の被害が一斉に広がる恐れがあります。
2. SNS・LINE等の「クローズド空間」における情報の不透明性
LINEのグループやダイレクトメッセージなどの閉鎖的なSNS空間は、外部の監視や修正の目が届きにくいという特徴があります。
・具体的なリスク: 「このリンクから外部決済すれば課金アイテムが安くなる」といった誤情報や詐欺的なリンクが、信頼する友人から届くことで、警戒心が著しく低下します。公式の警告よりも「友人や仲間の推奨」が信じられてしまうことで、フィッシング詐欺や個人情報の不正取得の温床となる可能性が高いと考えられます。
3. インフルエンサーによる「信頼の転移」と検証の欠如
ユーザーは、自身が支持するインフルエンサーの好意的な評価を、そのまま対象(アプリやストア)の安全性への評価として転移させる傾向があります。
・具体的なリスク: 多くのインフルエンサーは宣伝の専門家であっても、セキュリティの専門家ではありません。収益目的の広告案件(プロモーション)として、十分な脆弱性診断が行われていない外部ストアやアプリが紹介された場合、ファンはその背後にある技術的リスクを検証することなく、インフルエンサー個人を信頼して導入してしまいます。
4. 制度設計が抱える「合理的ユーザー像」との乖離
スマホ新法は、子供から高齢者までの幅広いスマホユーザーが直面するであろうリスクについて、制度や事業者の対応が行き届いているのか不安な面があります。
・構造的な課題: 現実には、ユーザー毎の情報リテラシーの格差に加え、認知バイアス(社会的証明:みんなが使っているから大丈夫という思い込み)が働きます。技術的対策(OSの警告表示など)が強化されたとしても、人間関係に基づく「心理的な安心感」がそれを上書きしてしまうため、制度そのものがユーザーを保護しきれない事態が予測されます。
結論
アップルやGoogleのアプリストアで公開されているアプリでも、中国企業のアプリでは様々なリスクが報告されています。不正アプリのほとんどは公開前に排除されるため、アプリストアに載る不正アプリは稀ですが、2024年6月から2025年5月の期間(1年間)において、Google Playストア内で239件の不正アプリが発見され、累計で約4200万回以上ダウンロードされていました。
公式アプリストアであっても不正アプリを全て排除するのは難しいので、外部アプリストアの利用は公式アプリストア以上に様々なリスクが高いといえるでしょう。
スマホ新法が目指す競争促進を健全なものにするためには、技術的なセーフティネットの構築に加え、SNSや学校コミュニティといった「人間のネットワーク」がリスクの拡散経路になり得ることを前提とした対策が不可欠です。行動科学的な視点に基づき、ユーザーの心理的脆弱性をいかに補完するかが、今後の制度運用における極めて重要なポイントになるでしょう。
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